タスマニア州周遊ドライブプラン:
タスマニア州東部の静かなビーチから西部に面した険しい山々まで満喫できるこの6日間の日程で、訪れた人は心奪われることでしょう。
原文:コール・ラティマー、エリー・シュナイダー
タスマニア州の州都であるホバートから出発して6日間かけてぐるっと周り、また同じ場所で旅を終わらせる周遊プランです。この壮観な旅では、東部の手付かずのビーチから西部の険しい原生地域のほか、ワイングラス・ベイ、クレイドル・マウンテンやベイ・オブ・ファイアーなどの必見観光名所なども取り入れています。
見どころ
- 人けのないビーチや緑豊かに生い茂るシダの森を散策
- 川沿いの歴史に残る町を散策
- タスマニア州の新鮮なシーフードを味わう
基本データ
- 日数:6日間
- 距離:1,158km
- 移動手段:車
- 最寄りの主要都市:ホバート
- 料金:$$$
1日目:ホバート ~ フレシネ国立公園
旅はホバート(Hobart)からスタートします。まずは、サリバンズ・コーブ(Sullivans Cove)にある19世紀の美しい砂岩倉庫の間を歩き、海沿いをサラマンカ・プレースまで行きましょう。毎週土曜日に開かれる サラマンカ・マーケット(Salamanca Market) では、300軒以上の店が新鮮な食材から美術品や工芸品まであらゆるものを販売しています。その後、北へ120kmドライブして、グレート・オイスター・ベイ(Great Oyster Bay)とマリア島(Maria Island)の絶景を楽しみましょう。スワンシー(Swansea)で買い物を楽しみつつ、ケーツ・ベリー・ファーム(Kate’s Berry Farm)の作りたてのジャムを味わいましょう。また、ここから車で45分のところに位置する海辺のホリデービレッジ、コールズ・ベイ(Coles Bay)は、フレシネ国立公園(Freycinet National Park)を探索する拠点として最適な場所です。昼食には、カキで有名なフレシネ・マリン・ファーム(Freycinet Marine Farm)でタスマニア州の新鮮なシーフードを味わい、その後国立公園へ向かいます。スリーピー・ベイ(Sleepy Bay)まで10分ほど軽い散歩をしたり、あるいはハザーズ(Hazards)で知られる花崗岩の連山の一部であるマウント・アモス(Mount Amos)の頂上まで本格的に3時間で往復するなど、ご自由にお楽しみください。徒歩で往復一時間のワイングラス・ベイ展望台(Wineglass Bay Lookout)からは、黄金の砂浜や淡青色のワイングラス・ベイ(Wineglass Bay)などの絶景を満喫できます。フレシネ国立公園でのキャンピングを希望するなら、フレシネ・ビジター・センター(Freycinet Visitor Centre)で予約できます。その他、コールズ・ベイ(Coles Bay)、ビチェノ(Bicheno)、スワンシーには、様々な宿泊施設があります。
2日目:フレシネ国立公園 ~ ロンセストン
車で一時間半北上し、セント・へレンズ(St Helens)で泳いだり、サーフィンをしたり、新鮮なシーフードを堪能しましょう。あるいは、壮観なペロン砂丘(Peron Dunes)沿いに往復一時間の散歩を楽しむこともできます。セント・へレンズからベイ・オブ・ファイアー(Bay of Fires)のゲートウェイであるビナロン・ベイ(Binalong Bay)までは、車ですぐの距離です。ここは、オレンジ色の地衣類で覆われた花崗岩の岩に囲まれた砂浜の美しい地域です。ここから西へ川沿いの小さな村、ダービーに向かいましょう。65kmの直行ルートもありますが、マウント・ビクトリア森林保護区(Mount Victoria Forest Reserve)を通る2時間半の眺めの良いドライブなどいかがでしょうか。ダービーには、世界有数のマウンテンバイクコースや素敵なアンティークショップ、クラフトショップなどがあります。そのまま走り続けると、およそ100km先にオーストラリア最古の町のひとつロンセストン(Launceston)に到着します。町ではアートギャラリーや博物館などを訪れてみましょう。クイーン・ビクトリア博物館と美術館(Queen Victoria Museum and Art Gallery)やタスマニア国立自動車博物館(National Automobile Museum of Tasmania)などはいかがでしょうか。また、市内中心部から徒歩ですぐのところにはカタラクト渓谷(Cataract Gorge)があります。川の上にかかる吊り橋を渡ったり、一本リフトでは世界最長のチェアリフトに乗ることもできます。ロンセストンにある快適なホテルで夜を過ごしましょう。
予定に余裕があるようであれば、ロンセストンから北へ日帰り旅行を楽しんでください。ゴルフ好きの人は、ロンセストンから車でわずか1時間のバーンボウグル・デューンズ・ゴルフ・リンクス(Barnbougle Dunes Golf Links)に行ってみてはいかがでしょう。美しいデザインのコースにきっと驚きます。あるいは、ロンセストンのすぐ北の穏やかな河口沿いにあるテイマー・バレー(Tamar Valley)でのんびりと過ごすのもおすすめです。谷のほとりに点在する20か所以上のブドウ園で作られるワインをご堪能ください。
3日目:ロンセストンからスタンリーへ
ロンセストンから西へ車で30分のところに歴史的な川沿いの街 デロレイン(Deloraine)があります。地元のギャラリーや工芸品店を見てまわったり、パン屋で朝食をお楽しみください。ここでは、毎年11月にオーストラリア最大級の工芸品見本市が開催されます。その後、素晴らしいビーチやウォーキング、サイクリングコースで知られる賑やかな沿岸都市 デボンポート(Devonport)まで車でさらに45分北上します。海岸を散策したり、ブラフ(Bluff)でセーリングを楽しんだり、またはマーシー川(Mersey River)で帆船に乗ってみましょう。ナラワンタプ国立公園(Narawntapu National Park)で野生動物を見学しましょう。カンガルー、ワラビー、ウォンバットやアカハラ・ヤブワラビーが草むらでのんびりとしている様子が見られます。タスマニアン・デビルを見かけることができるかもしれません。海岸沿いを車でゆったり1時間かけてウルバーストーン(Ulverstone)、バーニー(Burnie)そしてチューリップ畑が広がるウィンヤード(Wynyard)などの海辺の村を通って戻ります。1時間ほど走ると、ザ・ナット(The Nut)という火山性の露頭のある漁村スタンリー(Stanley)に到着。今日の旅の終点です。ここではザ・ナット・チェアーリフト(The Nut Chairlift)に乗って高原を探索してみましょう。山頂を2kmほど歩けば見事な絶景が待っています。さらに高いところからの見晴らしをご希望の方は、空から絶景が一望できる オズボーン・ヘリツアー(Osborne Helitours)の利用をおすすめします。空から感動的な海岸線と沖合の島々を見下ろすことができます。タスマニア州の最高の景色と料理を合わせた牧場から食事まで満喫できるツアーもあります。地上に戻った後は、スタンリー・ビレッジ(Stanley Village)で海辺にあるしゃれた宿泊施設やレストランを訪れましょう。
4日目:スタンリー ~ クレイドル・マウンテン
スタンリーを出発して、世界遺産に登録されている原生地域クレイドル・マウンテン ー セント・クレア湖国立公園(Cradle Mountain-Lake St Clair National Park)に向かいます。内陸方面に2時間ほどのドライブです。クレイドル・マウンテン(Cradle Mountain)に登ったり、ダブ湖(Dove Lake)の鏡のように澄んだ湖面の周りを散策したりして過ごしましょう。あるいは、セント・クレア湖(Lake St Clair)まで続く全長65kmのオーバーランド・トラック(Overland Track)に6日間かけて挑戦することもできます。洗練されたクレードル・マウンテン・ロッジ(Cradle Mountain Lodge)にある高級レストラン、ハイランド・レストラン(Highland Restaurant)で昼食を堪能しましょう。国立公園の美しさを満喫するには、クレイドル・マウンテン・ヘリコプターズ(Cradle Mountain Helicopters)の空から楽しむ絶景ツアーがおすすめです。ここでは様々なツアーが用意されており、ダブ湖を上空から楽しんだり、オーストラリアの最も深い渓谷で知られるフューリー渓谷(Fury Gorge)のマウント・オッサ(Mount Ossa)や、もちろんクレイドル・マウンテンなどもヘリコプターで空から眺めることができます。そのほかにも、9月から4月にかけて澄んだ渓流やダブ湖でフライフィッシングが楽しめます。または、夜間の野生動物ツアーに参加すれば、ワラビー、ウォンバット、ポッサムに出会えるかもしれません。宿泊には、家族向けのクレイドル・マウンテン・ホテル(Cradle Mountain Hotel)や、湖の上に浮かぶ水力発電ポンプ小屋を素敵な宿泊施設に改装したパンプハウス・ポイント(Pumphouse Point)がおすすめです。
5日目:クレイドル・マウンテンからストローンへ
今朝はまず、アンソニー・ロード(Anthony Road)に沿って景色の良い観光ルートを南へ進みましょう。森林やきらめく湖を100kmほど通り抜けると、かつては世界最大の生産量を誇る金鉱と銅山があったクイーンズタウン(Queenstown)の町にたどり着きます。クイーンズタウンでは、地下鉱山ツアーに参加したり、原生地域を散策して美しい景観を眺めることができます。昼食は、クイーンズタウンのかつての栄光を物語る壮大なシンボル的ホテル、ザ・エンパイア(The Empire)で楽しみましょう。クイーンズタウンから車でわずか45分の場所には、港に隣接するストローン(Strahan)の町があります。ここは、タスマニア州の世界遺産に登録されているワイルドウェストの西のゲートウェイです。午後は、マッコーリー・ハーバー(Macquarie Harbour)でカヤックを楽しんだり、タスマニア州で最も長い海岸線のオーシャン・ビーチ(Ocean Beach)に沿って風が吹き渡る中で散歩をするのもいいかもしれません。一日の終わりは、ストローン・ビレッジ(Strahan Village)ホテルのビュー42°レストラン・アンド・バー(View 42° Restaurant & Bar)で、新鮮なタスマニア州のシーフードを堪能して締めくくりましょう。
6日目:ストローンからホバートへ
ライエル・ハイウェイ(Lyell Highway)を進むと、タスマニア州の世界遺産登録された原生地域の中心部へと戻ります。ストローンから車で2時間半のところに位置するタラリア(Tarraleah)に立ち寄りましょう。ここは、オーストラリアで最初の水力発電システムが開設された場所です。ハイランド村にある1930年代に建てられたかつてのコテージの多くは、見事なアールデコ様式に修復されています。小さな高級ホテルザ・ロッジ(The Lodge)にもぜひ、訪れてみてください。
時間に余裕があるようならば、マウント・フィールド国立公園(Mount Field National Park)まで100kmほど足を延ばしてみてはいかがでしょうか。緑豊かに生い茂るシダの森の中を壮観なラッセル滝(Russell Falls)、ホースシュー滝(Horseshoe Falls)、そしてレディー・バロン滝(Lady Barron Falls)までブッシュウォーキングを楽しみ、ターン・シェルフ(Tarn Shelf)からは息をのむような景色を満喫してください。その後は、ニュー・ノーフォーク(New Norfolk)の昔ながらの村の広場やアンティーク・ショップ、そして南半球では最も古いサケの養殖所にも立ち寄りましょう。ホバート郊外までたどり着いたら、オーストラリア最大の私設美術コレクション MONA美術館(ザ・ミュージアム・オブ・オールド・アンド・ニュー・アート)を訪れてみてください。館内レストランのザ・ソース(The Source)で、ダーウェント川(Derwent River)を見下ろしながら独創的な料理をお楽しみください。MONA美術館には、有力なオーストラリアの建築家や芸術家の名前がそれぞれ付けられた豪華な宿泊施設も併設されており、ここに泊まることもできます。