
シドニーからメルボルンまで海岸沿いをドライブする8日間の旅
オーストラリアの二大都市、シドニーとメルボルンの間には、のどかな海辺の町、野生動物に出会える国立公園、誰もいないどこまでも続くビーチなどが点在しています。
原文:アリッサ・ジェンキンス
シドニーからメルボルンまで車で移動します。途中には、白い砂浜で有名なジャービス・ベイ(Jervis Bay)で泳いだり、エデン(Eden)でクジラを探したり、ウィルソンズ岬国立公園(Wilsons Promontory National Park)でオーストラリア本土の最南端までハイキングしたりといったお楽しみが用意されています。フィリップ島(Phillip Island)でアザラシやペンギン、コアラを見たら、最後は受賞歴を誇るモーニントン半島(Mornington Peninsula)のワインを賞味して、必見ポイントばかりを集めたこの旅を締めくくりましょう。
見どころ
- 世界一白い砂浜と評判のハイアムス・ビーチでスイミング
- ウィルソンズ岬の特異な美しさを堪能できるハイキング
- フィリップ島を歩き回るフェアリー・ペンギンを観察
基本データ
- 日数:8日間
- 距離:1,280km
- 移動手段:車
- 最寄りの主要都市:シドニー
- 料金:$$$
1日目:シドニーからジャービス・ベイ

ニュー・サウス・ウェールズ州、コールクリフ、シー・クリフ・ブリッジ © Lawrence Furzey, Destination NSW
シドニーから南へ車で1時間のところに、王立国立公園(Royal National Park)があります。ここが、断崖を走るグランド・パシフィック・ドライブ(Grand Pacific Drive)の起点になっています。スタンウェル・トップス(Stanwell Tops)で車を止めて、泳いだりサーフィンを楽しんだりしましょう。ここからの海岸線の眺めは素晴らしいのひとことです。次に、ドラマチックなシー・クリフ・ブリッジ(Sea Cliff Bridge)を渡ります。断崖に沿ってカーブしているこの橋は吊橋状の構造で、海面からの高さは665mです。ウーロンゴン(Wollongong)で休憩して、ここでブームになっているカフェ文化を堪能しましょう。ノース・ビーチ(North Beach)のディギーズ(Diggies)、市の中心部にあるハンバー(Humber)、やはり市内にあり、下の階がカフェで上の階がショッピング・スペース、地上階には花屋もあるリー・アンド・ミー(Lee and Me)がおすすめです。さらに南へ1時間半ドライブを続けると、シェルハーバー(Shellharbour)やイラワラ湖(Lake Illawarra)を経由して、のどかな海辺の町、キアマ(Kiama)に着きます。有名なキアマの潮吹き穴(Kiama Blowhole)が、海水を空中に60mも吹き上げるのを見てから、コーヒー休憩を取りましょう。ジャービス・ベイ(Jervis Bay)まではあと1時間の道のりです。1920年代の漁師小屋が修復され、パステルカラーのワン・ベッドルーム・コテージ7棟に生まれ変わったハイアムス・ビーチ・シーサイド・コテージ(Hyams Beach Seaside Cottages)に泊まってみましょう。
2日目:ジャービス・ベイを散策する

ニュー・サウス・ウェールズ州、ジャービス・ベイ、マレーズ・ビーチ © Hutchings Camps Pty Ltd
この穏やかな海辺の町で目覚めたら、まず午前中何をするか決めましょう。プランテーション・ポイント(Plantation Point)の保護水域でシュノーケリングをするか、ハネムーン・ベイ(Honeymoon Bay)でシー・カヤックを操るか。ハスキッソン(Huskisson)でイルカ・ウォッチング・クルーズに参加するのもいいですね。午後は、ホワイト・サンズ・ウォーク(White Sands Walk)を歩いてみましょう。ハイアムス・ビーチからビンセンティア(Vincentia)のグリーンフィールド・ビーチ(Greenfield Beach)までの1時間のコースで、ジャービス・ベイの海岸線の中でも景色のよいところを通ります。途中でちょっと泳ぐのもいいし、砂の上でリラックスしたいならタオルを持参しましょう。ディナーはハスキッソンのワイルドジンジャー(Wildginger)で。モダンなアジアン・テイストの料理が特徴です。ガンヤー(The Gunyah)でロマンチックなディナーを楽しみたいなら、早めの予約をおすすめします。
3日目:ジャービス・ベイからエデン

ニュー・サウス・ウェールズ州、エデン、ザトウクジラ © Faunographic
朝はのんびり過ごし、最後にビーチをもう一度散策してから、車で南へ45分のミルトン(Milton)に向かいます。ギャラリーやアンティークショップ、オープンカフェが立ち並ぶ町です。ランチはキューピット(Cupitt)でゆっくり時間をかけて。受賞歴のあるブティック・ワイナリー、地ビール醸造所、チーズ工房、フレンチ風レストランを兼ね備えたお店です。オーストラリア人のようにささっと済ませたいなら、アラダラ(Ulladulla)のヘイデンズ・パイ(Hayden’s Pies)で本格的なグルメパイを選ぶのがおすすめです。カンガルーが生息していることで有名なペブリー・ビーチ(Pebbly Beach)で少し泳いで、午後のドライブのための英気を養いましょう。3時間のドライブで、今夜の宿泊地、エデン(Eden)に到着です。イーグル・ハイツ・オブ・エデン(Eagle Heights of Eden)の崖上のヴィラなど、海に面したホテルのどれかに予約しておきましょう。
時間に余裕があれば、エデンに行く前にナルーマ(Narooma)に立ち寄って、忘れられないカルチャー体験をすることをおすすめします。ナラン・ナラン・カルチャー・アウェアネス(Ngaran Ngaran Culture Awareness)では、伝統的な歓迎セレモニーの共有、神聖な場所へのウォーク、地元のブッシュフードで作った食事などを通じて行う独特の方法で、地元の先住民ユイン族の文化を伝えています。ナルーマでは、人懐こいアザラシとのシュノーケリングを体験することもできます。そのほか、ウミガメやイルカ、リトル・ペンギンのコロニーを見つけられるかもしれません。
4日目:エデンからワルハラ

ビクトリア州、ワルハラ、スターホテル © Star Hotel
エデンには、国内有数のホエールウォッチングのポイントがいくつかあります。さあ、ホエール・ウォッチング・クルーズ(9月から11月まで)に参加して、ついでにイルカやアザラシ、ワシが見られないか、目を凝らして探してみましょう。午後には、5時間という長時間ドライブを敢行して、ゴールドラッシュ時代のフォトジェニックな村、ワルハラ(Walhalla)まで行きます。この村は、ビクトリア・アルプスの南端に広がる美しい森の中にあります。5時間のドライブが長すぎると思うなら、海岸沿いの町バーンズデイル(Bairnsdale)で一泊しましょう。
ワルハラに着いたら、採掘所ツアーで地下深くにもぐってみましょう。そして、ゴールドラッシュ時代の採掘所の雰囲気を感じさせるスター・ホテル(Star Hotel)に泊まってみましょう。
5日目:ワルハラからフォスター

ビクトリア州、ギプスランド、ウィルソンズ岬 © Roberto Seba, Visit Victoria
南へ2時間半車を走らせて、美しいウィルソンズ岬国立公園(Wilsons Promontory National Park)に着いたら、2.5kmのリリー・ピリー・ガリー・ネイチャー・ウォーク(Lilly Pilly Gully Nature Walk)をたどって、ヒースランド、ユーカリの森、そして雨林の中を歩きます(全行程約3時間)。その後は、ターコイズブルーの水と、踏めばキュッキュッと音を立てるきめ細かな珪砂(クオーツサンド)で知られるスクィーキー・ビーチ(Squeaky Beach)で涼みましょうザ・プロム(地元ではこう呼ばれています)はダイビングスポットとしても有名で、海中には探索に格好の崖や丸石、洞窟が連なり、サンゴやヒトデ、イセエビ、シードラゴンなどの住みかになっています。近くの町フォスター(Foster)のプロム・コースト・ホリデー・ロッジ(Prom Coast Holiday Lodge)に一泊しましょう。隣には、朝のお茶に便利なカフェ・マックス(Caf Max)があります。
熱心なハイカーや自然愛好家なら、もう1日か2日余分にウィルソンズ岬に滞在することも考えてみてください。30分の散歩コースから泊まりがけの周回コースまで、素晴らしいハイキングコースがたくさんあります。
6日目:フォスターからフィリップ島

ビクトリア州、フィリップ島、ペンギンパレード © Phillip Island Nature Parks
フォスターから西へ100kmのドライブで、フィリップ島(Phillip Island)に到着です。アドレナリンが放出されるドキドキ感がたまらないという人には、グランプリ・サーキット(Grand Prix Circuit)をおすすめします。経験豊富なレースカー・ドライバーと一緒に高速での試乗に挑戦するか、サーキットを模した小規模なコースでファミリー向けのゴーカートを運転するか、どちらかを選んでください。ワイルドライフ・コースト・クルーズ(Wildlife Coast Cruises)の2時間のツアーで、オーストラリア最大級のオットセイのコロニー、シール・ロックス(Seal Rocks)を見に行きます。ディナーには、カウズ(Cowes)のハリーズ・オン・ザ・エスプラナード(Harry’s On The Esplanade)で、最高級の地元の食材をご賞味ください。食事の後で、この島で最も有名なアクティビティに参加します。そう、夜のペンギンパレードを見に行くのです。ビーチに腰を下ろし、何十匹というフェアリー・ペンギンが海から上がってよちよちと巣に戻っていく様子を間近で観察できます。宿泊は、シルバーウォーター・リゾート(Silverwater Resort)で。ベッドルームが1~3部屋付いたラグジュアリー・アパートメントが用意されています。
7日目:フィリップ島からモーニントン半島

ビクトリア州、モーニントン半島、クリッテンデン・エステート © Robert Blackburn, Visit Victoria
カウズのコアラ保護センター(Koala Conservation Centre)で、木の上に造られたボードウォークをのんびり歩きながら、オーストラリア固有の野生動物の中でもいちばん可愛らしいコアラを観察したら、ウェスタン・ポート・ベイ(Western Port Bay)に沿った1時間半の風光明媚なルートをたどって、人気の観光地、モーニントン半島(Mornington Peninsula)に向かいます。この地域には、訪ねたい農場がたくさんあります。メイン・リッジ・デアリー(Main Ridge Dairy)の手作りチーズや、モック・オーチャーズ(Mock Orchards)とサニー・リッジ・ストロベリー・ファーム(Sunny Ridge Strawberry Farm)のバイオダイナミックなフルーツとリンゴ酒は、ぜひ試食/試飲したいものです。モーニントンはワインの産地としても有名で、50以上のワインセラーと200ものブドウ園があります。その中でも人気が高いのが、レッド・ヒル・エステート(Red Hill Estate)、オーシャン・エイト(Ocean Eight)、ステインドル(Staindl)、パリンガ・エステート(Paringa Estate)、クリッテンデン(Crittenden)です。夜は豪華なホテル、リンデンデリー・アット・レッド・ヒル(Lindenderry at Red Hill)でゆっくりお休みください。
8日目:モーニントン半島からメルボルン

ビクトリア州、モーニントン半島、ペニンシュラ・ホット・スプリングス © Peninsula Hot Springs
国際色豊かな海辺の町モーニントンで朝食を済ませたら、午前中はペニンシュラ・ホット・スプリングス(Peninsula Hot Springs)で過ごしましょう。 海岸沿いの林の中に、体が浸るほどの浅めのプールが20ヶ所あるほか、マッサージを受けられるデイスパやハマム(トルコ式の風呂)の設備もあります。その後は、フォクシーズ・ハングアウト(Foxeys Hangout)でブドウ畑を眺めながら、さまざまな大皿料理をお楽しみください。ポルペッロ(Polperro)、メリックス・エステート(Merricks Estate)、プランシング・ホース(Prancing Horse)など、もう1~2ヶ所ワインセラーに立ち寄ったら、さあ、バーやレストラン、ブティック、ホテル、さまざまな展示や公演が待ち受けているメルボルンまで、北へ90kmの最後の行程です。
メルボルンで数日過ごしてもいいし、オーストラリアの海岸沿いに旅を続けてアデレードに向かうのもおすすめです。または、メルボルン周辺の1日ツアーや目的地のおすすめ情報をチェックしてみましょう。