Ningaloo reef, Western Australia © Tourism Western Australia
ニンガルーリーフで過ごす6日間
世界最大級の魚を見ながらのシュノーケリング、珍しいイワワラビーと一緒のハイキングなど、ニンガルーリーフは自然愛好家にとっての夢の場所です。
原文:キャロリン・ビーズリー
ニンガルーリーフ(Ningaloo Reef)は、オーストラリア最大の裾礁(きょしょう ー 海岸に形成されるサンゴ礁)で、アクアマリンの海がノース・ウエスト岬(North West Cape)の海岸線を取り囲むように広がっている地域です。ビーチからわずか数mのところでシュノーケルをすると、色とりどりの魚やウミガメ、時にはオニイトマキエイ(マンタ)などに出会え、にぎやかな海中の光景に浸れます。
すぐ沖合では、愛らしい巨大生物が深い海をゆったりと泳いでいます。おとなしいジンベエザメや回遊中の巨大なザトウクジラと一緒に海に飛び込み泳ぐこともできます。
パースから北へ1,250kmの位置にある、ニンガルーリーフのゲートウェイの町、エクスマウス(Exmouth)は、赤茶色の砂漠の端に位置するフロンティア・タウンで、西部はいまだに愉快でワイルドな雰囲気に包まれています。水着を用意したら、さあ出発しましょう。飛行機とドライブで巡る、ニンガルーの冒険が待っています。
1日目:ニンガルーの旅の序章
パースからエクスマウスへの朝2時間のフライトから降りたら、レンタカーに乗ります。最初の目的地は町に向かう途中にあるので、冒険の準備をしてください。チャールズ・ナイフ・キャニオン(Charles Knife Canyon)は、ケープ・レンジ国立公園(Cape Range National Park)の中にあります。古代の山脈が水に削られることで形成された地形で、印象的な色の地層が目を引きます。自然の偉大さを感じさせる光景を眺めながら、未舗装ですが整備されている道をドライブします。
街に出たら、フロス・クラフト醸造所(Froth Craft Brewery)でランチです。ここでは、16種類の生ビールに加え、エクスマウス湾(Exmouth Gulf)で獲れたエビなどの地元の食材を使用したカジュアルなメニューを楽しめます。
食事後は、エクスマウス湾に面したマンタレイズ・ニンガルー・ビーチ・リゾート(Mantarays Ningaloo Beach Resort)にチェックインしましょう。荷物を下したら、美しいプールを見に行きましょう。滞在中に必ず何回も訪れることでしょう。
ニンガルー初日の楽しみはまだ続きます。この町を上空から眺めに出かけましょう。ニンガルー・アビエーション(Ningaloo Aviation)の1時間の遊覧飛行で、ジンベエザメ、ウミカメ、ジュゴン、マンタレイを見つけます。サンゴ礁のターコイズブルーと砂漠の赤のコントラストには目を奪われることでしょう。
飛行機はもう十分だという場合には、ニンガルー・センター(Ningaloo Centre)がお勧めです。ここには、ツアーの予約ができる観光案内所と、サンゴ礁を生き生きと展示したニンガルー・アクアリウム・アンド・ディスカバリー・センター(Ningaloo Aquarium and Discovery Centre)があります。サイクロン室では、1999年にエクスマウスを襲ったサイクロン・バンスを体感することができます。次に、アメリカのスクールバスに乗って、アメリカ海軍が冷戦時代の受信基地として1967年にエクスマウスを建設した理由や、今でも基地が世界中の潜水艦と通信していることなどを学びましょう。
ホテルに戻って、ビーチでひと泳ぎしてたら、ウェーラーズ・レストラン(Whalers Restaurant)でエクスマウスの有名なシーフードをお楽しみください。
2日目:サンゴ礁でたっぷり遊ぶ
サンゴ礁を実際に間近で見るには、専門家と一緒にダイビングするのがいいでしょう。午前8時にエクスマウス・アドベンチャー(Exmouth Adventure Co)の迎えの車に乗り、ガイドと共にケープ・レンジ国立公園(Cape Range National Park)へ。カヤックとシュノーケルをのんびり楽しむツアーをお楽しみください。ランチや大きな帽子など、必要な道具はすべて用意されています。このツアーでは、サンゴ礁の中でも、あまり人に知られていないエリアを訪れます。カヤックに乗って有名なターコイズブルーの水を堪能したら、次はシュノーケルをつけて、現実とは思えないほどカラフルなパロットフィッシュ(ブダイ科の熱帯魚)やサンゴの庭なと、水族館から抜け出したような世界を探索しましょう。
濡れずに楽しみたい場合は、ニンガルー・エコロジー・クルーズ(Ningaloo Ecology Cruises)のツアーを予約すると、ボートのガラスパネル越しに同様の生物を数多く見ることができます。このツアーを利用するには、海まで自分で運転する必要がありますので、ツアーの前後には数多くのビーチの一つでピクニックもできます(エクスマウスで必要な食料を調達してから来てください)。
午後には、ジュラビ・タートル・センター(Jurabi Turtle Centre)に立ち寄り、ここで発見された4種のウミガメについて詳しく説明した展示パネルを見学します(12月から3月までは夜の営巣ツアーがあります)。次は、歴史あるヴラミン・ヘッド灯台(Vlamingh Head Lighthouse)まで車で行き、素晴らしい景色を楽しんだり、海岸の難破船について学びます。
リゾートに戻ったら、足を伸ばして少し休憩します。その後、エクスマウスの本物の文化の一つを体験しに行きましょう。1960年代にアメリカの海軍士官のために建てられたカントリーパブ、ポットショット・ホテル・アンド・リゾート(Potshot Hotel and Resort)で夕食をお楽しみください。
3日目:偉大な海洋生物
巨大な海の動物と一緒に泳ぐのは忘れられない思い出となるでしょう。その瞬間はもうすぐです。ご旅行が4月から7月の間の場合は、穏やかなジンベエザメとシュノーケルをして、8月から10月までの間は回遊中のザトウクジラと一緒に泳ぎます。オーシャン・エコ・アドベンチャーズ(Ocean Eco Adventures)のような、ライセンスを保有した倫理的な数少ない旅行関連会社は、両方のツアーを提供しています。
早起きして、ボートに乗り午前中に移動します。船長は、飛行機の助けを借りながらジンベエザメ(またはクジラ)を見つけて、その海域までボートを移動させます。安全のための丁寧な説明とシュノーケルに関する指示を聞いたら、青い海に飛び込み、おとなしい巨大動物がゆっくりと泳いでいる様子を見守ります。至近距離を通過する様子が見られることもよくあります。プロのカメラマンがあなたの水中での魔法の瞬間を撮影します。
船上では昼食と軽食が用意されています。クルーズ終了後は、帰りの車中でカクテルを飲みながら海中での夢のように幸せな体験を振り返る時間を持ち、リゾートへ帰ります。
今夜は、ホテル内にあるマンタレイズ・レストラン(Mantarays Restaurant)のテラスで食事をお楽しみください。ここでは、地元のセンネンダイが特徴のシーフードの盛り合わせ(二人前)をお楽しみください。
4日目:サンゴ礁沿いのエコラグジュアリーな施設
ホテルをチェックアウトし、町でピクニック用品を手に入れたら、ケープ・レンジ国立公園へ向かいます。途中、ミリヤリング・ビジターセンター(Milyering Visitors Centre)に立ち寄り、この国立公園と世界遺産についての情報を得るようにしましょう。個人的にシュノーケルをしようと計画している場合は、その日の潮の流れや水泳経験の程度に応じた最適な場所についても確認しておいてください。
国立公園をのんびりと進み、途中にあるさまざまなビーチや湾に立ち寄ります。シュノーケルの経験を積んでいる方は、安全に関する標識を確認の上、ターコイズ・ベイ(Turquoise Bay)でドリフト・シュノーケリングを楽しむことができます。ここでは、海岸からわずか数mのところで、生き生きとしたサンゴの上や魚の群れの中を、波に流されるように進んで行くことができます。湾の端で海から上がったらビーチを歩いて戻り、同じことを繰り返します。
何度か海を漂っているうちに、お腹がすいてくるでしょう。ビーチや日よけテントの下でピクニックランチをお楽しみください。
南に向かって7km行くと、今日から2泊滞在する、ニンガルーの海岸にあるエコ・ラグジュアリーなテント・キャンプ、サル・サリス(Sal Salis)に到着します。今日の午後は、サル・サリスのアクティビティを確認し、シュノーケルやカヤックのガイド付きツアーに参加してみましょう。サンゴ礁のすぐそばの自分だけの空間でのんびりするのもいいでしょう。
夕暮れ時のカクテルとサル・サリスの美味しいディナーの後は、想像を絶する輝きを見せる星空の下、大自然のテントに戻ります。近くに町がなく、照明も最小限に抑えられているニンガルーの夜空は格別です。
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コーラル・コーストガイド
5日目:美しい峡谷の数々
鳥たちの声で起床したら、サル・サリスのガイドと合流し、日中の暑さを吹き飛ばすような峡谷の徒歩ツアーに出かけましょう。マンドゥ・マンドゥ峡谷(Mandu Mandu Gorge)か、ヤーディー・クリーク峡谷(Yardie Creek Gorge)のどちらかを訪れます。どちらの峡谷でも、珍しいワキスジイワワラビーを見つけたり、高台からのサンゴ礁の景色を眺めたりすることができます。
次に、ヤーディー・クリーク・ボート・ツアー(Yardie Creek Boat Tour)に参加して、ケープ・レンジの中で唯一、永久に水が流れている峡谷の野生動物や地質について、楽しく学びましょう。カリスマのようなガイドと共に、この渓谷に澄むミサゴやイワワラビーと出会ったり、絶滅したサメ、メガロドンの歯の化石について学んだり、先住民のタランジ(Thalanyji)の人々が使用してきた薬草を見つけたりします。
サンゴ礁を見下ろすサル・サリスでのランチタイムに間に合うようお戻りください。午後は、カヤックで近くを回ったり、ビーチで貝殻を観察したりして、リゾートでゆっくりと過ごしてください。
サル・サリスでの最後のディナーを楽しんだら、もう一晩、星空のキャンバスの下、波の音に誘われて眠りにつきます。
6日目:帰る前にもう一度楽しむ
残念ですが、チェックアウトして帰途に就くときが来てしまいました。飛行機の予定によっては、国立公園で最後のひと泳ぎを楽しんだり、ブンデギ・ビーチ(Bundegi Beach)のちょっと変わったビーチ・シャック(Beach Shack)でコーヒーを飲む時間があるかもしれません。サル・サリスから空港までは車で1時間半かかりますので、余裕を持って出るようにしてください。